通信制高校の2017年度の進路決定率は調査結果から、公立が47%、私立が64%になります。進路決定率はどちらも高いとは言えませんが、私立の通信制高校ほうが公立の通信制高校より高く、公立の通信制高校では半数の生徒が進路が決まらないまま卒業するのが現状です。ここまで差があると、学費が安いからという理由だけで公立を選ぶのは躊躇しますね。
高等学校(通信制)の進路比較
学校基本調査平成30年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校《報告書掲載集計》卒業後の状況調査高等学校通信制のデータをもとに、公立の通信制高校と私立の通信制高校を比較しました。
一次データは「統計で見る日本」にあります。 エクセルでできた数字の表で比較しにくかったため、私のほうでパーセンテージの横棒グラフに作り直しています。
通信制高校からの進学
大学進学等(短大、通信教育含む)、専修学校でみると私立は公立の倍近く進学しているのがわかります。
通信制高校からの就職
就職については公立も私立も20%前後で誤差の範囲で、3%ほど公立通信制高校のほうが割合としては高くなっています。
公立通信制高校では51%が未決定?
進路の決まらなかった人「左記以外の者」は公立の通信制高校は51%、私立通信制高校が35%なのに対してそれよりも15%以上も多い。誤差とはいいがたい。
公立通信制高校の半数以上の進路が決まらないのはどういうことなのか、原因が知りたいところですね。
「『左記以外の者』とは,家事手伝いをしている者,外国の高等学校に入学した者又はA~Eの各項目に該当しない者で進路が未定であることが明らかな者である。」
A~Eというのは、少し作り替えたので消してしまいましたが、不詳・死亡の者を除く、大学等進学者~就職者。
とはあります。私立ではありますが私が今まで見てきた生徒で、進路が決まらない方は以下のような生徒が多かったでっす。
- 自分のペースで社会に出たいという方、アルバイト含む
- ご高齢の方など仕事をすでに引退している方
- 子育て中で就職したり、進学することが困難な方
- 精神的な病気、その他病気などの療養継続の方
- 精神的な病気の疑いはあるものの病院まで行けない方
他にもあるとは思います。
もちろん、すでに就職しながら通信制高校で勉強している生徒も少なくなありませんので、そのあたりの数字は含むのか含まないのか不明です。
私立の手厚さ云々はよく引き合いに出されますが、本当にそれだけなのか、私立の35%に対して公立の51%は気になりますね。
なぜそうなのか、公立の先生方のお話を伺いたいところです。
就職に関して実際のところ
面接するのは学校ではなく生徒本人です。学校は面接練習などサポートこそすれど、代わりに内定をもらうことは不可能です。
ちゃんと就職している人も19%いるわけで、10人中約2人は就職しています。通信だからということはあまり考えなくてもよいと思います。
しっかり先生と試験対策や面接練習をして、ヤングハローワークもありますのでうまく使って進路決定しましょう。