高校卒業には74単位が必要です。転校する前の学校で修得した単位は引き継ぐことができますので、基本的に卒業が遅れることはありません。
一旦、高校を退学(中退)し、通信制高校でやり直そうとする編入の場合も同じように単位を引き継ぐことができます。
単位を引き継ぐメリット
基本的に通信制高校への転校時はこれまで修得した単位を引き継ぐことになります。
転校の時はこれによって卒業時期を遅らせずに済みます。
ですが、1年生の方は基本的に単位を持っていませんので、転校するときに引き継ぐ単位を持っていないと考えてください。だからといって、卒業が遅れるわけではないので安心してください。
ただし、転校する時期によって履修できる単位数が少なくなる学校もあるので要注意です。
高校中退した場合
一旦、高校を退学(中退)した方は編入になります。編入の場合でも残りの単位数を引き継いでいるので、最低限の単位を修得することで卒業することができます。
ちなみに、高校を卒業するためには転校や編入する前の学校の在籍期間と合わせて合計3年以上の在籍が必要になります。よく、1年でたくさん単位を取ったら卒業できるかと聞かれますが、学校教育法第56条で決まっていますので不可能です。
学校教育法 第五十六条
http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/kitei/reiki_honbun/w002RG00000944.html
高等学校の修業年限は、全日制の課程については、三年とし、定時制の課程及び通信制の課程については、三年以上とする。
単位が一部引き継げないケース
普通科の高校から普通科の通信制高校へ転校するなら問題なく、すべて引き継げます。
また、 工業高校や商業高校の生徒は転校する通信制高校が総合学科や転校前と同じように、工業科や商業科の通信制高校へなら基本的に引き継げます。
しかし、通信制高校の多くは普通科ですので、工業科や商業科から、普通科の通信制高校へ転校する場合は引き継げる専門科目の単位数の上限は20単位とされ、20単位を超えた分は引き継ぐことができません。
あくまで専門科目の上限が20単位であり、国語や数学なのどの普通科目の単位数は引き継ぐことができます。
工業科の情報技術基礎は情報として、課題研究は総合として引き継ぐこともあるのでこれは20単位には入りません。
これまで扱った工業の生徒でも、ほとんど、引き継げたことが多いです。
まれに数単位引き継げないケースを見てきましたが、卒業が遅れるほどではありませんでした。
工業や商業の生徒は、まずはどうなるか確認してみましょう。
単位だけでなく在籍期間も引き継げる
高校を卒業するためには通信制高校でも全日制高校でも3年以上の在籍が必要です。
転校の場合は転校する時期さえ注意していれば、遅れずに卒業することができます。
ただし、全日制高校で学年の途中で退学してしまった場合は、前年度分までは引き継げますが、その学年での単位は認定されないので引き継げません。さらに1年間で履修できる単位数には上限があり、卒業は遅れます。
どうやって引き継ぐのか?
転入あるいは編入の際には、「単位習得証明書」という書類を提出します。入学するとすぐに、履修相談という入学した年に取る科目を相談する機会が設けられます。
その時に先生が何年で卒業するか、どんな科目を取ったらいいか相談に乗ってくれて、アドバイスもしてくれます。
そこは皆さんは一生懸命考えなくても大丈夫ですから、安心してくださいね。